名古屋市議、市民26人を勝手にボランティア登録 「ノルマに焦り」

2025/05/25 21:22 

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 2026年開催のアジア・アジアパラ競技大会(愛知・名古屋大会)で、名古屋市の上園晋介副議長(49)=3期目=が、市民26人の名前を勝手に使ってボランティア登録していたことが分かった。

 25日記者会見した上園氏によると、所属会派のノルマ(1人30人)があったが、集まったのは自分を含め家族4人分だけ。「なかなか集まらず焦りがあった。(いつばれるかと)内心ビクビクしていた」などと陳謝した。

 「身に覚えのない登録が完了しました、というメールが届いた」などという市民からの問い合わせが、市に寄せられるようになったのは今月13日ごろから。市が調査して発覚した。

 上園氏によると、以前に名刺交換した市民の中から、登録に必要な氏名、住所、メールアドレス、電話番号の記載が名刺にあった26人分を抽出。本人の承諾なく勝手に登録した。登録には生年月日も必要だったが「想像して記入した」としている。

 所属する旧民主党系会派「名古屋民主市議団」では、各自にボランティア登録のノルマを設定。会派への提出期限は4月25日だった。期限が迫るにつれて焦り、抽出した26人が「あまり近い人ではなかったのでだれが登録したのか分からないと思った」と釈明。「個人情報について安易に考えていた」と頭を下げた。

 すでに26人のうち3人に謝罪を済ませたという。進退について問われた上園氏は「まずは全員に謝罪を行ったうえで会派とも相談して対応したい」と述べ、現時点で議員辞職の考えはないと明らかにした。

 大会ボランティアを巡っては市が9780人を目標に昨年10月から募集を開始。当初は期限を1月末に設定していたが、応募が伸び悩んだため4月末まで延長。市議会の議員有志も応募を呼びかけてきた。【式守克史】

毎日新聞

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