「未婚撤廃」の相馬野馬追 20年ぶり出場の女性が神旗1本を奪取
相馬野馬追は2日目の25日、福島県南相馬市の雲雀ケ原祭場地で本祭りがあった。今回から、女性にのみ設けられた「20歳未満の未婚」という出場条件が撤廃され、騎馬武者による神旗争奪戦に同市の細川美和さん(39)が20年ぶりに出場。神旗1本を奪取した。細川さんは「言葉に表せないくらいうれしい。多くの人に支えられて出場でき、感謝している」と笑顔を見せた。今後に向けては「年齢を問わず多くの女性が出場し、野馬追を盛り上げてほしい」と期待した。
この日は行列や甲冑(かっちゅう)競馬の後、約200人による神旗争奪戦があった。神旗はそれぞれ相馬太田神社、相馬小高神社、相馬中村神社の社号が書かれた幅35センチ、長さ1メートル50センチほどの布で、計16回打ち上げられる。落ちたところを乗馬むちで拾い上げたりして獲得する。
細川さんは19歳まで出場し、過去にも神旗を手にした経験がある。この日も、男性に交じって馬や体をぶつけ合って激しく争い、相馬小高神社の神旗を見事に奪い取ると、口に神旗をくわえて騎馬武者の一群を抜けた。感極まって目を潤ませながら、しきたり通りに本陣が置かれた丘を駆け上った。
19歳の前回出場時まで身につけていたはかまで今回も出場。2年前に亡くなった母多美子さん(当時76歳)が仕立ててくれたといい「母に神旗を取った姿を見せたかった。けがなく終えることができたのは、天国の母が見守ってくれたから」と感慨深げに語った。
女性の出場条件のうち「未婚」はそのままで年齢制限は変わるとのうわさがあったため、パートナーと話し合って結婚を延期したほど、野馬追への思い入れは深い。「落ち着いたら、婚姻届を出したい」とはにかんだ。【田倉直彦】
◇「娘に託していたが…」自身が参加
この日は、女性の出場条件撤廃を受けて初めて出場した神奈川県松田町の船迫(ふなば)有夏さん(36)の姿も馬上にあった。
浪江町出身で高校時代まで過ごし、卒業後は首都圏に転居して就職、結婚。野馬追のたびに帰郷して観戦するうち長女美葵(ひまり)さん(13)が小学4年から出場するようになり、もともと馬が好きだった船迫さんも6年前に乗馬を始めた。女性には「20歳未満、未婚」との出場条件があったため「夢は娘に託していた」が、出場条件が撤廃され意を決して参加した。
25日は行列と神旗争奪戦に加わり「よろいは重く、背中には旗指し物も身につけて、身動きが取りにくいですね」と苦笑いしながらも「女性も担い手として伝統を引き継ぐことができる」と断言。美葵さんは今回、高校受験の準備のために出場しなかったが「いつか娘と一緒に出場したい」と新たな夢を描く。【田倉直彦】
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