アウシュビッツ生還者の孫がピアノリサイタル 東京、京都、広島で

2025/05/13 08:15 

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 ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の舞台となったアウシュビッツ強制収容所から生還した祖父母を持つユダヤ人ピアニスト、ヤエル・ワイスさんのピアノリサイタル「ベートーヴェンが見出した平和」が14日、東京都品川区の五反田文化センター音楽ホールで開かれる。戦後80年を迎え、「音楽を通じて平和を訴えたい」と話している。

 イスラエルで生まれ育ったワイスさんは、17歳で渡米しピアノを学んだ。現在はニューヨークを拠点に音楽活動を続けている。2018年からは、イスラエルやウクライナなど紛争当事国を含む32カ国の作曲家に、ベートーベンのピアノソナタ(全32曲)を題材に作曲してもらい、演奏する企画を始めた。

 「さまざまな国の人が連帯し、平和を祈ることが企画の目的」といい、今回のリサイタルでも、ウクライナ人の作曲家が提供した作品を演奏する。そのほか、ベートーベン「ピアノ・ソナタ第14番『月光』」なども予定している。

 ワイスさんの母親はウクライナ西部の都市リビウで生まれた。自身のルーツにあるウクライナとイスラエルで紛争が続いていることについて「心が痛む」とワイスさん。「音楽家ができることは、平和を求め、表現することだ」と話す。

 14日のリサイタルは午後6時半開場、同7時開演。前売り4500円、当日5000円。問い合わせはMCSヤング・アーティスツ(mticket@mcsya.org)。17、18日には京都と広島でも公演を予定している。【加藤昌平】

毎日新聞

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