逮捕の中3「少年院に入れば家を出られる」 千葉女性殺害

2025/05/13 20:34 

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 千葉市若葉区の路上で近くに住む無職の高橋八生(やよい)さん(84)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された区内の中学3年の男子生徒(15)が千葉県警の調べに対し「少年院に入れば、家を出られる。刃物で人を殺した方が確実だと思った」という趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材で判明した。県警は、男子生徒が家庭環境に不満を抱いていた可能性があるとみて、犯行動機との関連を慎重に調べている。

 事件は11日午後5時5分ごろ発生。男子生徒は高橋さんの背中を刃物のようなもので突き刺して殺害したとして、12日に逮捕された。県警の調べに対し、容疑を認めている。高橋さんとは面識がなかったとみられ、県警は無差別に襲ったとみている。

 捜査関係者によると、男子生徒はこれまでの調べに「ストレスが限界に来ていた」「イライラして刺した」「誰でもよかった」といった趣旨の供述をし、「悪いことをして強制的に家から出されるようなことをすればいい。少年院に入れば家を出られる。長く少年院にいるために、刃物で人を殺したほうが確実だと思った」という話をしている。

 男子生徒の親族などによると、男子生徒は祖父母、父、きょうだいの6人家族。性格は内向的で、中学生になると家庭での干渉を嫌がるようになり「家族の全員と仲が悪かった」(男子生徒の父親)という。

 補導や家出のほか、同級生とのトラブルなどもあり、父親が県警に相談。少年補導専門員が複数回面接し、事件翌日の12日も面接が予定されていた。父親は取材に「何かしら悪いことをするかもしれないと思った」といい、事件直後の男子生徒の様子については「至って普通だった」と語った。

 県警は13日、男子生徒を殺人容疑で千葉地検に送検した。県警によると、司法解剖の結果、高橋さんの死因は外傷性ショックと判明。背中の複数の刺し傷が致命傷となり、2カ所は肺を貫通し、うち1カ所は心臓に達していた。身を守ろうとする際にできる防御創はなかった。凶器の刃物は片刃とみられる。【林帆南、高橋晃一、中村聡也】

毎日新聞

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