「元気を世界に届けたい」 大阪夏の風物詩「ギャルみこし」が万博へ

2025/05/04 12:26 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 大阪の夏の風物詩「ギャルみこし」が一足早い5月10日、大阪・関西万博のイベントに登場する。実行委員長の三浦高宣さん(51)は「元気を世界に届けたい。男女平等を考える機会にもなれば」と意気込む。

 ギャルみこしの正式名称は天神祭女性御(お)神輿(みこし)。毎年7月の大阪天満宮(大阪市北区)の天神祭で、高校生以上の15~30歳までの選抜された女性80人がそれぞれ約200キロあるみこし2基を交代で担ぎ、元気いっぱいに天神橋筋商店街を練り歩く。天神祭の神事ではなく地域のイメージアップのためのイベントという位置づけで、天神橋筋商店会の会員が中心となって運営している。

 天神祭女性御神輿は1981年に始まり、新型コロナの影響で中止した年を除いて毎年行われてきた。いつしか「ギャルみこし」と呼ばれて親しまれ、テレビ番組などに出演するようになった。近年ではアジアやヨーロッパなど世界中からも担ぎ手の応募があるという。

 三浦さんは2015年から警備担当としてギャルみこしに参加し、17年に実行委員長に就任した。イベントの責任者として、会議を招集したり組織全体の管理をしたりしている。そんな三浦さんはかねて「ギャルみこしが万博に出ることはできないか」と考えていた。世界ではSDGsなどジェンダー平等が掲げられる中で、日本の男女平等が進んでいないと考えているからだ。24年に世界経済フォーラムが公表した男女平等度ランキングでは、日本は146カ国中118位だった。

 「日本の祭りでは女人禁制の考えから女性がみこしを担ぐことをタブーとする風潮もある」と語る三浦さん。実際に、ギャルみこしの応募動機では「地元の祭りではみこしを触れないため、担いでみたい」といったものもあるという。「万博では世界中の人に『女性だけで担ぐみこし』を見てほしい」と力を込める。

 ギャルみこしは10日に開催されるイベント「大阪の祭!~EXPO2025春の陣~」に出演予定だ。三浦さんは「万博に参加することで、ギャルみこしを知って応募者が増えればうれしい」と話す。過去のギャルみこし参加者を対象に担ぎ手を募り、100人以上から応募があった。当日は16歳から30代後半の70人が参加する予定で、海外からの参加者もいるという。万博会場のEXPOアリーナで、都島区のだんじり囃子(ばやし)と一緒に“ギャル”たちが2基のみこしをかついで盛大に練り歩く。【長沼辰哉】

 ◇三浦高宣(みうら・たかのぶ)

 1974年生まれ。大阪市北区育ち。関西大卒業後、広告代理店勤務などを経て2011年から天五商店街の会員に。現在は不動産事務所代表。15年からギャルみこしに参加し、17年から実行委員長を務める。

毎日新聞

社会

社会一覧>

注目の情報