24年自殺者数、小中高生が過去最多 震災関連は初のゼロに

2025/03/28 10:00 

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 厚生労働省が28日公表した、警察庁の自殺統計を基にまとめた2024年の自殺者数(確定値)は、2万320人(前年比1517人減)で1978年の統計開始以来2番目に少なかった。11年の東日本大震災に関連する自殺者は初めてゼロになった。

 震災関連の自殺者数は、23年までの13年間で、岩手、宮城、福島の被災3県を中心に計252人(男性167人、女性85人)が確認されていた。震災があった11年(55人)をピークに、17年まで20~30人台で推移。18年以降はおおむね10人未満と減少傾向となっていた。

 職業別では無職者が170人と、有職者(77人)を大きく上回った。年代別では、50代(59人)▽60代(55人)▽70代(36人)▽40代(30人)――と、中高年に多い傾向があった。

 都道府県別は多い順に、福島119人▽宮城64人▽岩手59人――で、被災地外の7都府県でも計10人いた。岩手、宮城では11年が最多だった一方、福島では13年(23人)が最多となっており、東京電力福島第1原発事故による避難の長期化が影響した可能性がある。

 全体の自殺者が減少する一方で、小中高生は529人(前年比16人増)と過去最多となった。20年以降は500人前後で高止まりしていることから、厚労省は初めて都道府県別の自殺者数を公表した。

 小中高生と性別で区分し、人数が少ない場合は個人の特定を避けるために一部を非公表としている。最も多かったのは東京の75人で、埼玉(43人)▽神奈川(39人)▽愛知、大阪(各32人)――と人口が多い地域が続いた。

 同省の担当者は「地域ごとに性別などに傾向がある。地域の問題であるという認識を共有し、対応を考えてほしい」と都道府県レベルでの対策強化を呼びかけている。【肥沼直寛】

 ◇相談窓口

・#いのちSOS 

 「生きることに疲れた」などの思いを専門の相談員が受け止め、一緒に支援策を考えます。

 0120・061・338=フリーダイヤル。月・木、金曜は24時間。火・水・土・日曜は午前6時~翌午前0時

・いのちの電話

 さまざまな困難に直面し、自殺を考えている人のための相談窓口です。研修を受けたボランティアが対応します。

 0570・783・556=ナビダイヤル。午前10時~午後10時。

 0120・783・556=フリーダイヤル。午後4時~同9時。毎月10日は午前8時~11日午前8時、IP電話は03-6634-7830(有料)まで。

・まもろうよ こころ(https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/sns/)

 さまざまな悩みについて、LINEやチャットで相談を受けている団体を紹介する厚生労働省のサイトです。年齢や性別を問わず、自分に合った団体を探せます。

・こころの悩みSOS(https://mainichi.jp/shakai/sos/)

 悩みを抱えた当事者や支援者への情報のほか、相談機関を紹介した毎日新聞の特設ページです。

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