東京・墨田の病院に「赤ちゃんポスト」 医療機関で全国2例目

2025/03/31 10:59 

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 東京都墨田区の社会福祉法人賛育会(平野昭宏理事長)は31日、親が育てられない乳児を匿名で受け入れる「いのちのバスケット」(赤ちゃんポスト)を同区の賛育会病院(199床)に設置し、同日から受け入れを始めると発表した。医療機関が運営する赤ちゃんポストは、熊本市の慈恵病院が2007年に設置した「こうのとりのゆりかご」に続き、国内2例目。

 また、31日から病院以外に身元を明かさず子どもを産む「内密出産」を始めることも明らかにした。内密出産も慈恵病院が国内で唯一、取り組んでいる。

 いのちのバスケットで受け入れるのは生後4週間までの乳児。記者会見した賛育会の中村基信・常務理事は「遺棄事件などの現実を踏まえると、母子を保護する必要性は増している。将来このような取り組みが必要のない社会になることを願って赤ちゃんの命を守る最後のとりでとして始めたい」と述べた。

 賛育会は1918年に設立され、東京、長野、静岡で医療・福祉施設、保育園を運営。同会は「赤ちゃんのいのちを守るプロジェクト」を立ち上げ、24年7月から妊娠に関する匿名相談を受け付けている。【山下俊輔、長屋美乃里】

毎日新聞

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