「選挙、終わらせに来た」 殺意は否認 岸田前首相襲撃初公判
和歌山市で2年前、選挙演説に訪れた岸田文雄前首相らにパイプ爆弾を投げつけたとして、殺人未遂など五つの罪に問われた木村隆二被告(25)の裁判員裁判が4日、和歌山地裁(福島恵子裁判長)で始まった。被告は「殺意はありません」と述べ、起訴内容の大半を否認した。弁護側は軽傷を負った聴衆と警察官の2人への傷害罪にとどまると主張した。
初公判で検察側は、木村隆二被告の事件前後の行動を明らかにした。岸田文雄前首相につきまとうような動きを見せ、「内乱罪」などと検索。現場で身柄を確保された際には「選挙、終わらせに来たんや」と語ったという。
「普通の国民が立候補出来ない制限選挙下では、政党の言いなりの犬しか立候補出来ません」。ツイッター(現X)で、被告の最後となる投稿は事件4日前の4月11日だった。
検察側によると、被告は2日後の13日午前、大阪の人工島・夢洲(ゆめしま)近くの駅に姿を現していた。この日は岸田氏が大阪・関西万博の起工式で大阪入りし、会場の夢洲を訪れていた。
14日には「内乱罪」「自民党本部 警備」とインターネット上で検索。この日夜に岸田氏が遊説で和歌山入りするのを自民党のホームページで閲覧し、「雑賀崎」と調べていたという。
事件当日朝は「自民党 遊説 警備」と調べ、午前8時前に自宅を出発。約80キロ離れた現場には電車とバスを乗り継ぎ、岸田氏のそばに爆弾を投げ込んで現行犯逮捕された。警察官に「選挙を終わらせに来た」と語り、パトカーに乗せられた後は「普通選挙を実現しろ」とつぶやいた。
この日の法廷で起訴状が朗読され、被告はいったん黙り込んだ後に「間違っているところもあります」と小さな声で語り、自らの主張を述べていった。
弁護側によると、被告は2017年に高校を卒業後、調理専門学校に進学。20年から大学の通信課程で学び、アルバイト生活をしていたが、事件当時は無職だった。「世の中を良くしたい」と政治や選挙制度について関心を持つようになったという。
22年7月の参院選への立候補を考えていたが、被選挙権(30歳以上)をクリアできないうえ、供託金も用意できない。事件当時の口座に残っていたのは十数万円だった。
被告の父親は捜査にこう述べたという。「こうと思ったら曲げないタイプ。責任の重さを感じてもらうためにペナルティーを受けるべきだ」【藤木俊治】
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