白血病の再発検査コスト「20分の1以下」に 静岡県・長泉ファルマバレーセンター進出の「TL…

2026/04/06 09:50 

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 染色体解析技術で特許を持つスタートアップ(新興企業)のTLジェノミクスが4月、神奈川県藤沢市から長泉町のファルマバレーセンターに本社を移転する。骨髄移植を施した白血病患者の再発兆候を低コスト、高精度で調べる検査技術を開発し、同センター内に体外診断用医薬品の製造拠点を置く。今夏にも厚生労働省に製造販売承認の申請を行い、2028年の販売開始を目指す。
 放射線治療などでがん化した血液細胞を除去した白血病患者に正常な血液の元となる骨髄を移植すると、体内は全てドナー由来の血液に置き換わる。ただ、再発した場合は血中に患者由来の血液細胞が復活し、異なる種類が混合するキメラ状態となる。その兆候を調べる「キメリズム検査」は定期的な実施が推奨されるが、がん細胞の目印となる特有の個人識別マーカーをデジタルPCRで微細に検出する海外の手法は1回約30万円と高額。このため、比較的安価な一方、正確性や再現性に課題が残る通常のPCR検査が国内では主流となっている。
 同社は個人識別マーカーの大量解析技術を大阪大と開発し、特許を申請した。同技術を使ったキメリズム検査は24、25年に実施した100症例の臨床検査で高い有効性が確認され、研究用キットを既に発売済み。コストは従来の高精度検査と比べて20分の1以下に抑えた。保険適用を想定すると1回8千円程度の自己負担で済むという。
 25年12月には県のファンドサポート事業にも採択され、出資を受けて実用化への研究を加速させる。将来的には、患者が自ら採取した血液で再発の兆候を調べる自宅用検査装置の開発も見据える。久保知大社長(46)は「再発を早期発見できれば治療の幅も広がる。静岡から世界へと広めていきたい」と語る。
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