「駿河湾フェリー再出発宣言」11月6日から再開 長期的な運航継続目指す

2025/10/30 08:33 

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 一般社団法人ふじさん駿河湾フェリー(静岡市清水区)は29日、プロペラの損傷により運休しているフェリーについて11月6日に運航を再開すると発表した。車両乗船の休止や運休を繰り返し、経営が厳しさを増す中、法人は「駿河湾フェリー再出発宣言」を発出し、長期的な運航継続を目指すとした。
 プロペラは海中に投棄されたシルトプロテクターと呼ばれる汚濁防止膜を巻き込んだことにより損傷し、9月30日第3便から運休していた。今後は水中ドローンによる航路周辺の調査や監視カメラでの海洋投棄の監視などを定期的に行い、再発防止に努めるという。
 宣言では「富士山を海越しに眺望する至高の魅力を提供し、駿河湾の両岸の交流を活発にする」などを使命とし、安全対策・事故再発防止、快適な船内環境への改善、インバウンド(訪日客)誘客、収益の確保などに取り組むとした。
 駿河湾フェリーは2019年に民間から経営を引き継いだ後も赤字が続き、県は1年後に収支均衡が見込めなければ存廃の経営判断を下す方針を示している。法人の担当者は「今後も運航を継続するため、できることから挑戦していく」と抱負を語った。
9月輸送人員5309人 車両乗船再開で2025年度最多  ふじさん駿河湾フェリーは29日、清水港と土肥港を結ぶフェリーの9月の利用実績を発表した。台船の損傷で休止していた車両乗船が約8カ月ぶりに再開し、輸送人員は5309人と本年度最多となった。
 9月1〜11日は車両乗船再開の準備期間に充てたため、運航日数は19日にとどまった。
 車両台数は前年同月より785台減の1382台。このうち乗用車は1356台、バス21台、二輪は270台だった。徒歩では1425人が乗船した。チャーター利用が2件あり、計189人が乗船した。
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