トヨタ「ウーブン・シティ」裾野市で始動 新たな暮らしの実現へ異業種連携

2025/09/26 09:10 

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 トヨタ自動車が建設を進める裾野市の「ウーブン・シティ」で25日、実証実験が始まり、報道陣に公開された。2024年に完成した第1期エリア(約4万7千平方メートル)が対象。教育事業を展開するZ会グループの持ち株会社増進会ホールディングス(三島市)をはじめ、トヨタを含む計20の企業・個人が「インベンターズ」として業界の枠を超えて連携し、新たな暮らしの実現に向けた先端技術や製品、サービスの開発に着手する。
 初日はインベンターズの10社が実証実験の内容を紹介した。住戸に特注のセンサーや換気システムを導入して「花粉レス空間」を目指す取り組みや、小型ロボットを活用した自動車の自動搬送サービス、住人らがエリア内で利用できる3輪の特定小型原動機付自転車などが披露された。
 ウーブン・シティの将来的な総面積は約29万4千平方メートル。第1期エリアには居住棟を含む建物14棟が立地し、自動配送ロボットで宅配を受けられる物流も用意されている。トヨタ従業員らが9月から入居し、最終的に約300人が生活する予定。第2期エリア(約18万2千平方メートル)も23年5月に造成を始めた。26年度以降は一般の来訪者の受け入れも始める。
 同日行われたイベントでは豊田章男会長が登壇し、自らも「ウーブン・シティに引っ越す」とした上で、「起こしていくのは掛け算。1社だけでは成り立たない。みんなで笑顔の2を掛けていこう」と呼びかけた。記者会見では、豊田会長の長男でウーブン・シティの事業を主体する子会社ウーブン・バイ・トヨタの豊田大輔上級副社長が「地域の人が訪れやすい場所にしたい。子ども向けの教育、体験プログラムなどもできれば」と意欲を示した。
 
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