静岡の“おまち”をぐるり 「駿府浪漫バス」25年の歴史に幕 観光用に運行も利用者減

2025/09/22 11:35 

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 静岡市は市街地を巡回する路線バス「駿府浪漫バス」を9月末で廃止する。観光利用を目的に25年間運行を続けてきたが、利用者が減少していた。10月以降は小型車両による公共交通の実証実験を始め、生活目的の需要や採算性を調査する。
 駿府浪漫バスは毎日運行し、JR静岡駅、駿府城公園、臨済寺、静岡浅間神社をつなぐ。観光客の利便性向上を図り、2000年に運行を開始。利用者はピークの12年度には7万7764人に上った。
 だがその後は減少が続き、新型コロナ明けの回復も限定的だった。23年度は2万9362人と、ピーク時の約38%まで落ち込んだ。一方、燃料費の高騰により運行経費は増加。12年度に1453万円だった運行委託料は、23年度には19・5%増の1737万円に膨らんだ。
 乗客の利用目的ともずれが生じていた。市交通政策課によると、23年度のアンケート結果で、観光目的で利用した乗客の割合は2割だった。担当者は「観光施策にもかかわらず想定を下回る結果だった」と話す。一方、それ以外はほぼ生活目的の利用だった。
 生活目的の利用が一定程度あることを踏まえ、市が設定した路線で平日のみ運行する実証実験を新たに行う。JR静岡駅から県立総合病院を1日6往復し、市立静岡病院や城東保健福祉センター付近を経由する。定員9人、運賃は中学生以上310円、小学生以下160円。
 期間は10月1日から来年9月末までの1年間。需要や採算性を確認した後、民間事業者に運行を引き継ぐことを目指すという。
静岡新聞

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