静岡県内の最低賃金、63円引き上げ時給1097円 地方審議会が答申

2025/08/27 08:10 

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 静岡地方最低賃金審議会は26日、県内の2025年度最低賃金(最賃)を現行の時給1034円から63円引き上げ、1097円とする案を静岡労働局に答申した。対前年引き上げ率は6・09%。国が示した目安と同じ上げ幅で、上昇額、率とも時間額表示となった02年以来、最大となる。発効日は11月1日。例年より決定がずれ込んだため、1カ月遅らせる。
 歴史的な物価高が続く中、最賃水準をどこまで引き上げるかが焦点だった。労働者側は目安を上回る額を求めたのに対し、使用者側は過度な賃上げは中小企業の倒産リスクを高めるなどと主張していた。最終的に労使双方と公益代表委員による多数決で決まった。
 答申案には政府への要望として、労務費など価格転嫁の一層推進、中小企業の収益力向上支援、年収の壁を意識せず働けるようにする税制改正や社会保障制度の抜本的見直し―など6項目を盛り込んだ文書を付帯した。
 審議会の畑隆会長(常葉大経営学部特任教授)は「さまざまな意見を聞き、労働者の生計費への影響を最も重視した」と述べた。国分一行静岡労働局長は「例年以上に濃密で真摯(しんし)な議論をいただいた。賃上げしやすい環境整備に総力を挙げて取り組む」と応えた。
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