「タッチ決済乗車」想定上回り普及 伊豆箱根鉄道駿豆線や遠州鉄道で 窓口混雑緩和、利便性向上

2025/09/02 08:58 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 伊豆箱根鉄道駿豆線や遠州鉄道で導入されたクレジットカードなどによるタッチ決済乗車サービスの利用者数が、想定を上回るペースで伸びている。一般的に普及する交通系ICカードと異なるが、両路線ともに導入から半年足らずで定期外の10%以上が利用。両社は窓口の混雑緩和や乗客の利便性向上に手応えを示す。
 7月上旬、通勤時間帯の伊豆箱根鉄道駿豆線の三島駅。電車を降りた乗客がスマホやクレジットカードをかざし、改札をスムーズに通過した。三島市の野本竜哉さん(42)は昨年12月の導入時からタッチ決済を利用。以前は切符を購入して乗り換えが間に合わない時があったといい「交通系ICと違ってチャージもいらず、カード決済で経費を管理できる点もメリット。ゲートを増やしてほしい」と話した。
 同社は導入1年後の利用率目標を10%としていたが、6月末時点で定期外利用者の約12%が利用。最初の1カ月で5%に達し、回数券の販売を終了した4月以降さらに上昇した。幅広い年代の層が使い、大きなトラブルも確認されてなく、鉄道部運輸課の竹川耕平主任は「社会全体でキャッシュレスの基盤ができていて障壁なく普及が進んでいる。潜在的な利用顧客はまだ多いはず」とさらなる利用促進策を検討する。
 遠州鉄道は3月に電車の全駅で導入。目標値を定めていなかったが、予測よりも早いペースで増加し、6月末時点で定期外の10%がタッチ決済を利用した。一部の路線バスで先行導入していたことも影響したとみられる。同社は独自のIC乗車券「ナイスパス」も採用するが、鉄道営業所の担当者はクレジットカードによるポイント付与を重視する利用者もいると分析し「多くの選択肢を提供し、利便性の向上を図りたい」としている。
静岡新聞

静岡ニュース

静岡ニュース一覧>

注目の情報