下田の“心霊スポット” 市が一部撤去へ代執行着手 旧富士屋ホテル

2025/08/20 10:27 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 下田市は20日、一部で「心霊スポット」として知られる旧下田富士屋ホテル(同市)の一部撤去へ、行政代執行に乗り出した。崩壊した木造部分を9月までに撤去する。
 同ホテルは同市柿崎の国道135号沿いに立地。鉄筋コンクリート造4階建ての本館と、木造の別棟4棟が建つ。このうち代執行の対象は木造2階建ての1棟。同日朝から作業員6人が敷地内に入り、工事の準備として周辺に生い茂る草木の伐採を開始した。市によると、2024年8月に自然災害で対象の建物が崩壊し、がれきが近隣家屋の屋根や外壁を損壊。25年6月にはこの家屋で雨漏りが発生、対応に迫られていた。
 同ホテルは01年に廃業後、所有者が転々。現在は東京都の不動産会社の所有という。度々対応を求めてきたが面会できず、行政代執行のうち、対策に迫られている場合に行政処分を出さずに対応できる「緊急代執行」に踏み切った。
 市は代執行へ同市の荒川土建工業と610万円で随意契約した。市は「費用は不動産会社に請求する。残りの建物についても撤去を粘り強く要請する」(建設課)との方針を示した。
 ホテルは荒れ果て、近年はテレビ番組やインターネット上で心霊スポットとして紹介されていた。隣接の被害家屋の70代女性は「観光地なので見栄えも悪い。早期に全て撤去してもらいたい」と訴えた。
静岡新聞

静岡ニュース

静岡ニュース一覧>

注目の情報