宇宙飛行士に快適な睡眠を 香りとぬくもりのアイマスク、富士・三生医薬がニトリなどと開発 今…

2025/08/20 08:53 

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 サプリメント受託製造などの三生医薬(富士市、今村朗社長)は19日、同社の製剤技術を生かし、宇宙での睡眠課題を改善するアイマスクを家具大手「ニトリ」(札幌市)などと共同開発したと発表した。三生医薬が開発した香りのオイルを閉じ込めたカプセルと、肌に触れた部分が温かくなる素材を組み合わせ、宇宙飛行士の快適な眠りを支える。早ければ今夏にも、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の日本人クルーが使用する。
 アイマスクの鼻に触れる部分にポケットがあり、その中にカプセルを入れて香りを楽しめる。直径約4ミリのカプセルはフェルトに包まれ、使用直前に指でつぶすと森林浴を想起させる香りが広がる。オイルは、香りの空間デザインを手がける「イリス トウキョウ」(東京)が開発。約1日持続する。体が発散する水分を熱に変えるニトリの吸湿発熱素材「N―ウォーム」を使い、香りとぬくもりでリラックス効果を生む。
 開発は、宇宙と地上の暮らしの質向上を目的とした宇宙航空研究開発機構(JAXA)と民間企業による共創プロジェクトの一環。宇宙飛行士が直面する睡眠やにおいの課題に着目した。より精密な安全性が求められる宇宙空間で使えるよう試行錯誤し、約3年かけて開発に至った。
 アイマスクは、21日に打ち上げ予定の物資運搬ロケットで宇宙に届ける。三生医薬のプロジェクトリーダー奈良未沙希さん(32)は「今後は地上での商品化を検討する。飛行機や新幹線の長距離移動や災害時の避難所生活など、さまざまな場面での活用につなげたい」と期待する。
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