高校文化祭、キャッシュレスでスムーズに 静岡県内で導入広がる 働き方改革、金融教育に成果

2025/07/16 08:22 

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 静岡県内の高校で、文化祭の模擬店や物販にQRコード決済サービスを導入する動きが広がっている。釣り銭の用意や売り上げの集計、現金管理などの負担が軽減。教職員の働き方改革や金融教育面での成果も表れている。
 5月下旬の三島北高の「紫苑祭」。14団体の店頭にQRコードが置かれ、来場者がスムーズに支払いを済ませていった。利用率は全体売り上げの41・3%。松下明子校長は「扱う現金が少なくなり、安心感があった。トラブルの軽減にもつながる」と振り返る。
 藤枝東高も本年度、QRコード決済を導入。実行委員会の生徒が現金決済の煩わしさを解消しようと企画した。生徒が自ら発想して実現に至った事例で、支援した宮城島雅史教諭は生徒の主体性向上につながる取り組みに手応えを示す。
 日大三島高は2022年から、現金を扱わない「完全キャッシュレス文化祭」を全国的にも先駆けて実現した。同校の文化祭は2日間で約2万件の取り扱いがあるが、本年度は売り上げの誤差なく終了。導入前は数時間かけても集計が合わなかったといい、教職員の負担軽減効果は大きい。
 生徒自ら手数料を含めた計画を立てる必要があり、商売を考える機会になっている。売り上げ状況も即座に把握でき、当日の販売戦略改善にもつなげている。同校は校則で校内でのスマホ使用が禁止。だが、QRコード決済のみ使用できるようにするなど実情に沿い校則も見直した。キャッシュレス決済導入を主導した大川幸祐教頭は「生徒がお金の在り方を学ぶ実践の場となった。子どもの学びが変わる中、こうした動きが広まってほしい」と話す。
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