【伊東市長 大学「除籍」】辞任否定、議会は反発 「不誠実」「困惑」市政混迷必至

2025/07/03 08:21 

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 最終学歴の詐称疑惑を指摘されていた伊東市長の田久保真紀氏(55)が「東洋大は除籍だった」と表明した2日の記者会見。二元代表制の対をなす市議会からは「不誠実」「信用ならない」と厳しい意見が噴出した。田久保氏は引責辞任せず、市のかじ取りに意欲を示していて、市政運営の混迷が深まるのは必至だ。
 田久保氏は記者会見の会場に自家用車で乗り入れ、報道陣の取材に応じた。持参するとしていた卒業証書と卒業アルバムは手元になかった。正副議長や市職員らに卒業証書だと提示したとされる文書に関しては「どういった経緯で除籍になったか確認してから説明したい」とかわし、「大学時代後半は自由奔放な生活。いつまで在籍していたか分からない」と述べた。
 5月の市長選では、報道各社が田久保氏の経歴調査票に基づき、東洋大卒と報じていた。一方の田久保氏は会見で「大卒との経歴は選挙中に自ら公表していない。弁護士と相談したところ、公選法上の問題はないとの結論になった」との解釈を示した。
 これに対し、市議会で疑惑を取り上げた杉本一彦市議は「うそつきの市長と大好きな伊東の未来を語れない。潔く辞職を」と求め、引き続き責任を追及するとした。「議場で質問した段階できちんと答えていれば大げさな事態にならなかった」とも指摘。田久保氏が怪文書とみなした匿名の投書を「核心を突いた真実の通報」と評価し、「根も葉もない誹謗(ひぼう)中傷だと犯人捜しまでした」と市長対応を批判した。
 市議会は反市長派が圧倒的多数を占め、辞職勧告決議案が提出されれば可決される公算が大きい。市議会の中島弘道議長は「除籍で学歴詐称がはっきりした。私に見せた卒業証書は偽物だったということだ」との認識を示し、真相究明に向けて百条委員会(調査特別委)の設置準備を進める方針を改めて強調した。
 市によると、午後4時現在で「辞職すべき」などと訴える200件以上の苦情電話が相次いだ。市幹部は「困惑している」とだけ語った。
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