飛鳥時代にタイムスリップ? 地域住民が「石室造り」再現 富士・千人塚古墳

2025/06/29 09:23 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 富士市教育委員会と一般社団法人須津地区まちづくり協議会は28日、市指定史跡「千人塚古墳」(同市神谷)で、保存整備工事の市民向け体験会を開いた。地域住民約40人は、古墳が造られたとされる約1400年前と同じ方法で石室の再現作業を手伝った。
 日差しが照りつける中、参加者は付近の須津川で石を拾い集め、古墳まで約1キロの距離を徒歩で運んだ。体験の記念に、石の裏には「須津は良いところ」「いつまでも家族が幸せでありますように」など未来に残したい郷土や家族へのメッセージを記入。飛鳥時代に思いをはせながら、既に保護されている本物の床面の上に石を敷き詰めた。
 同協議会の矢崎義博会長(75)は「一生のうちにできるかできないかの貴重な体験。古墳の整備が地域活性化の一助になれば」と期待した。
 千人塚古墳は須津川流域の古墳群の盟主墳で、全長11メートル以上の横穴式石室は県東部最大級。当時の有力者を埋葬したと考えられ、過去の発掘調査では装身具や武器などが出土した。市民が気軽に史跡を見学できるよう、11月の供用開始を目指して駐車場や広場などを一体的に整備している。
静岡新聞

静岡ニュース

静岡ニュース一覧>

注目の情報