伊東市長公約の新図書館計画中止は「早計」 市長提出の補正予算案「否決すべき」 市議会特別委…

2025/06/28 08:31 

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 伊東市の田久保真紀市長が市長選の公約通り中止にした新図書館計画を巡り、市議会6月定例会は27日の予算・決算特別委員会福祉文教分科会で、新図書館建設事業費の全額を減額する市長提出の6月補正予算案を賛成少数で否決した。特別委を経て、7月7日の最終本会議でも原案が否決される公算が大きい。国の補助金を有効活用できる計画の中止は早計だとして、修正案提出も視野に、計画変更の手段を探るべきとの意見が相次いだ。
 小野達也前市長が推進した新図書館計画は5年に及ぶ議論を重ね、建設費42億円を投じ、2028年に開館予定だった。全体額の4割に相当する17億円について、都市構造再編集中支援事業(25〜29年度)と呼ばれる国の補助金でまかない、図書館周辺とJR伊東駅前商店街の道路整備も補助事業に含んでいた。
 分科会の採決結果は反対4、賛成1。採決前の討論で、反対の委員は「皆減すると補助金という貴重な財源を失う」とし、今後、国や県に対して「補助金を手放すとの意思表示につながる」と危惧した。今回の補助金を他の事業に振り替える検討の余地があるとして、6月補正の修正案の必要性を指摘した。一方で、賛成の委員は「選挙の結果でやむを得ない」との立場を示した。
市長の学歴証明会見も 伊東市議長、百条委の方針変わらず
 東洋大卒の学歴詐称疑惑を指摘されている伊東市の田久保真紀市長が、7月初旬の記者会見で学歴を証明すると表明したのを受け、市議会の中島弘道議長は27日、全5会派の代表者会議で固めた百条委員会の設置方針を堅持する考えを改めて強調した。
 田久保市長は記者会見に卒業証書と卒業アルバムを持参し、学歴の根拠とする方針だが、中島議長は取材に「われわれは大学発行の卒業証明書を出してほしいとお願いしている。提出さえあれば騒ぎはすぐに収まるし、本来必要のない百条委の時間と費用も省ける」と述べた。
 学歴詐称の疑惑を伝えた匿名の投書を怪文書とし、名誉毀損(きそん)の法的手続きを進めるとSNS上で発信した田久保市長の行動には疑問を呈し、「犯人捜しは犯人捜しで進めてもらえればよい。卒業証明書は別の話だ」と話した。
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