CO2濃度で人数感知→空調を適切制御 鈴与商事、省エネシステム普及へ

2025/06/18 08:33 

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 鈴与商事は17日、IoT技術を活用したソリューション事業を手がけるシナプス(東京)と資本業務提携を結び、同社が開発した空調管理システム「BAクラウド」の普及推進を図ると発表した。空気中の二酸化炭素(CO2)濃度などから室内の人数を感知し、大型施設の換気や空調を適切に制御して省エネにつなげる。出資額は非公表。
 同システムを導入する静岡市のホテルグランヒルズ静岡は、昨年12月から2カ月間にわたって実証実験を行った。2カ所の調理場に計3個のセンサーを設置し、人の呼吸で排出されるCO2濃度と温度、水蒸気などの粒子状物質を計測。従来は常時フル稼働していた換気、空調を人数に応じて調整し、年換算で62%に当たる260万円の電気、ガス代を節約できたという。
 今後、ホテル内の宴会場や店舗など16系統の換気、空調システムにBAクラウドを取り入れる予定で、年46%(800万円相当)の省エネを見込む。取り付けるのはセンサーと機械室の制御盤のみで、大規模な設置工事は不要。削減された電気、ガス代の一部を鈴与商事に支払う仕組みのため、初期投資を含めて費用はかからない。
 ホテルを運営するブリーズベイ静岡営業部セールスチームの松本好和支配人は「建物ができた30年前とは省エネや環境に対する意識、求められる性能が異なる」とし、時代に応じた設備更新の重要性を強調した。同社は今後、県内外の系列ホテルへの導入も検討するという。
 
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