昨年３月にオープンした浜松市天竜区月のシェアキッチン・レンタルスペース「再生庵」を会場にした交流活動が盛り上がりを見せている。築約１００年の木造の古民家で、将来的に店を構えることを目標にした料理人がカフェを開くほか、作品展やマジックショー、コスプレの撮影会場などに使われ、地域に人の流れを呼び込んでいる。
　２日には、「こめはなキッチンてん」の小松沙矢香さん（３９）＝袋井市＝が静岡県西部の旬の野菜や魚、自家製の発酵調味料などをふんだんに使った日本料理を提供した。小松さんは３月までの１年間、島根県海士町で日本料理を学び、５月から月３回営業している。小松さんは「店を持ちたいが、すぐには難しいので場所を探していた。雰囲気が自分の出したい料理と合っていた」と利用の経緯を語り、「お客さんの声を聞いて勉強し、模索しながら自分の形を作っていきたい」と目標を掲げる。
　再生庵は、古民家再生事業などを手がける「ＯＳＣＭ住宅工房」の鈴木修社長（５６）が船明ダム湖付近の木造建築を購入し、土間やキッチンなどを一部改修して、完成させた。１日単位の使用か年契約を選ぶことができ、１年間で計８０件の利用があった。４月からはダム湖内でＳＵＰスクールも始めた鈴木社長は「人が集まる場として活用してもらいたい。中山間地域の田舎でも楽しめる場があると知ってもらう機会になれば」と語る。