菊川市立病院の分娩休止決定に「ショック…」 外国籍妊婦に寄り添う伊豆味さん 継続へ署名活動…

2025/06/03 09:13 

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 菊川市立総合病院が産科分娩(ぶんべん)休止を決めたことを受け、通訳などで外国籍の住民を支援する日系ブラジル人の伊豆味キミエさん(62)=同市下平川=は「ショック。これからが不安」と声を詰まらせた。産科分娩の継続のために署名活動を続けてきたものの、休止の流れは変わらず「署名してくれた人たちの気持ちがあるし、諦めたくない」と語った。
 伊豆味さんは3年ほど前から通訳として、病院に通うブラジル国籍妊婦の多くに付き添ってきた。3月に報道で分娩休止の方針を知り、ポルトガル語、英語、日本語のチラシを用意して署名活動を始め、約200人分を集めた。
 仕事の合間を縫ってブラジル国籍市民が集まる店舗やイベントに出向き、署名を呼びかけると「来年は菊川市の病院で出産しようとしていたのに」「先生が積極的にコミュニケーションを取ろうとしてくれる。続けてほしい」などと心配する声が多かったという。
 伊豆味さんによると、個人のクリニックよりも出産費用がかからないことや外国籍妊婦を多く受け入れてきた実績と安心感から、市内の外国人の間では菊川市立総合病院で出産したいとの希望が強い。市内だけでなく、牧之原、御前崎の2市や吉田町からブラジル国籍妊婦が受診に通うケースもあり、連携先の病院では距離のハードルが高いという。
 外国籍妊婦に対する菊川市立総合病院や行政の支援策は不透明。伊豆味さんは「外国人妊婦がこれまでと変わらず、安心して出産できるといい」と語った。
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