食事のチケット“恩送り” 三島のNPOが運営「にじかけカフェ」 協力者先払いで割引

2025/06/03 09:32 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 三島市などで障害福祉サービスを展開するNPO法人にじのかけ橋は2日、同市平田で運営するにじかけカフェで、協力者が先払いしたチケットで食事できる「おたがい様チケット」を導入した。鈴木涼太副理事長は「受けた恩を他の誰かに送る『恩送り』が広がり、困っている誰かのために助け合える温かい地域にしていきたい」と語る。
 同チケットは、取り組みに賛同する企業や個人が購入したチケットを店内に掲示。500円分と千円分の2種類があり、来店客は食事代からチケット分の割引を受けられる。その代わりにメッセージを書き、感謝を伝える。
 食品や生活物資を自由に受け取れる「みんなの倉庫」も設置。午前6時から午後8時まで出入りでき、地域住民らから寄付された衣類や水、トイレットペーパーが置かれている。
 同NPO法人は設立15周年を迎え、鈴木副理事長が地域から受けた恩を返す手段を検討し、恩送り事業に取り組むNPO法人チームふくしま(福島市)を参考にした。米や光熱費など物価高騰が続く中、生活に苦しむグループホームの利用者の声もあり「困っている人に手が届くような支援をしたい」と導入を決めた。
 13の企業・個人から約20万円の協賛を受けてスタート。チケットは当面、利用客1人に付き週1度利用できる。鈴木副理事長は「お金のない中学生が大人になった後に誰かに恩を送っても構わない。多くの人に利用してほしい」と話す。
静岡新聞

静岡ニュース

静岡ニュース一覧>

注目の情報