規格外品の柑橘やイチゴ… ジュースやジャムに加工し新たな価値 地域おこし協力隊・今田さん、…

2025/06/01 08:35 

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 沼津市地域おこし協力隊として地場産品の開発と販路拡大を担う今田隼輔さん(28)=名古屋市出身=がこのほど、「かんきつ商社アクアマリン」(沼津市)を起業し、柑橘(かんきつ)をはじめとした地元農産物を有効活用する取り組みを始めた。規格外品に新たな価値を加える「アップサイクル」を通じ、地元特産品を広く訴求しつつ、生産者の収益向上に寄与する。
 同社は4月に設立され、地元の柑橘類を使った飲料を販売している。10月には同市西浦久連に約1200万円を投じて約20平方メートルの加工場を開設する。搾汁機や釜を備え、柑橘やイチゴといった青果をジュースやジャムに加工する計画だ。現在は小ロット加工を請け負う県外業者まで原料となる青果を運んでいて、自社加工に切り替えることで輸送コストや運搬中の腐敗によるロスの削減を狙う。
 地元のJAふじ伊豆や生産者から、集荷基準に達しないB級品の柑橘類や、集荷対象外の原料用極わせミカンなどを仕入れる。樹高が高く、高齢の生産者が収穫できずに放置されたハッサクや甘夏も引き受ける方針。食品ロスを減らすとともに生産者の収益向上につなげる考え。
 今田さんは会社設立前の昨春、規格外の西浦みかんを利用した炭酸飲料を発売したが、より効率的で柔軟な商品開発につなげようと起業を決めた。将来的には県内外の多彩な果物の取り扱いを目指す。「自社が窓口となってつないだ多くの人の力で“もったいない”をなくしたい」と語る。
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