ネギトロなど人気!静岡市のふるさと納税が急伸 返礼品拡充、情報発信で成果見せる “黒字転換…

2025/05/25 09:30 

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 静岡市の2024年度のふるさと納税寄付受け入れ額が、過去最高の25億7千万円(速報値)に上り、3年で6倍と急伸した。近年の返礼品拡充や情報発信強化が成果を見せ、流出額を上回るまでもう一歩。これまで都市部としてふるさと納税による税収減が顕著だった同市は、後発ながらあの手この手で“黒字転換”に向け模索する。
 市は21年度、事業者に対する返礼品の公募を開始し、事業のてこ入れに着手した。約400品目だった返礼品は新規開拓により本年度当初時点で約2300品目にまで増加。財政課の大竹透資金担当課長(54)は「海産物や加工品が静岡市の強みだが、幅広い返礼品を提供することが支持獲得には重要」と捉える。で、全体の2割以上を占めた。カップスープ、ツナ缶、冷蔵庫、ペットフードと続くが、ネギトロはコストパフォーマンスが高く、全国上位の寄付額を集める焼津市でも人気の品だ。清水港を抱え、全国屈指のマグロ水揚げ量を誇る静岡市にとって、関係人口増にもつながる返礼品として認知度向上に取り組んできた。
 同市の受け入れ額は21年度の3億9700万円から、22年度8億2400万円、23年度15億4800万円と右肩上がり。23年度の前年度からの伸びは全国合計の16%増に対し、同市は88%増と大幅に上回った。
 利用する仲介サイトやインターネット広告の露出も増やした。各地でノウハウを持つ旅行大手JTBを支援事業者に選定したり、御殿場市出身のタレント勝俣州和さんを応援大使に任命したりして、情報発信を強化してきた。
 21年度時点で受け入れ額の2倍以上あった流出額との差は改善に向かう。ただ24年度も流出額31億6400万円で、受け入れ額との差し引きは約6億円と依然マイナス。20%前後とほぼ横ばいで推移しているリピーター率の向上も課題となっている。23年度に寄付額32億1600万円を集めた同じ政令市の浜松市にもまだ水をあけられている。
 総務省は昨年10月から返礼品の旅行券に関する規制を強化し、収入額の減少が懸念される都市もある。静岡市も旅行券をそろえるが影響は限定的という。「特定の返礼品に頼ると、規制強化や供給不足が起きた時の影響が大きい」(財政課)とし、ネギトロなどと並ぶ新たな目玉返礼品の創出を目指す。
 ふるさと納税 自分が選んだ自治体に寄付すると所得税、住民税が控除される。地方から大都市へ人口が集中する傾向が強い日本で、生まれ故郷や縁がある地域への寄付を後押しする制度として創設された。5月で制度開始から17年になる。自治体間の過剰な競争が問題として指摘されていて、2019年には「返礼品は寄付額の3割以下の地場産品」という国の基準が設けられ、大阪府泉佐野市や静岡県小山町など4市町が制度からいったん除外された。
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