再審制度見直し法が成立 戦後初の改正 冤罪救済になお課題
再審制度を見直す改正刑事訴訟法が17日、参院本会議で採決され、自民、日本維新の会、参政の3党などによる賛成多数で可決、成立した。再審制度の見直しは戦後の1948年に刑訴法が制定されてから初めて。長く欠陥が指摘されてきた制度からの転換が期待されたが、冤罪(えんざい)救済の実効性に課題を残したままとなっている。
再審請求審での証拠開示の義務化や、再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(抗告)を「原則禁止」とすることが柱。近く公布され、1年以内に順次施行される。施行後5年ごとに再審制度の在り方を検討する見直し条項を付則に盛り込んだ。旧法には明文化されたルールが少なく、裁判官によって判断にばらつきがあるとの批判があったが、法律で規定が明記された点は前進した。
◇証拠提出の制度を創設
改正法は裁判所が検察に証拠を提出するよう命じる制度を創設。対象となるのは「再審請求の理由と関連する証拠」で、命令に対し検察は提出義務を負い、裁判所を通じて再審請求をした元被告側に開示される。従来は裁判所が必要な証拠の開示を検察に勧告し、検察は再審請求をした元被告側に直接開示していた。改正法は付則で従来の開示勧告の運用も残した。
再審請求手続き以外の目的で開示証拠を使用することを罰則(1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)付きで禁じる規定も新設した。事件関係者らのプライバシー保護が目的で元被告や弁護人が対象となる。
◇5年ごとに見直しへ
検察官抗告を「原則禁止」としたものの、「十分な根拠がある場合」は抗告できる例外規定も設けた。政府は当初、検察官抗告を制限しない方針だったが、自民党の事前審査で「再審を長期化させる原因」と強い反発を受けて修正した。
一部の野党は証拠の広範な開示や検察官抗告の全面禁止を求めたが実現しなかった。冤罪被害者側からは改正法でも「十分な証拠が開示されない」「検察官抗告は続くのでは」との声が上がっている。【巽賢司、岩本桜】
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