定数削減法案、与党が今国会成立見送りを検討 野党との協議進まず
自民党と日本維新の会は、衆院議員定数削減法案の今国会での成立を見送る検討に入った。与党関係者が12日、明らかにした。会期末が17日に迫る中、法案は衆院で審議入りできておらず、早期の成立を見通すことは困難な情勢となっていた。成立を見送る場合、与党は法案を継続審議とし、2026年通常国会で改めて成立を目指す。
法案を審議する予定の衆院政治改革特別委員会では現在、企業・団体献金の規制強化策を盛り込んだ政治資金規正法改正案の審議が先行している。野党側は規正法改正案の審議が優先されるとして、与党側が求める定数削減法案の審議入りの見通しは立っていない。
自民の梶山弘志、維新の遠藤敬両国対委員長は12日午前、国会内で会談した。遠藤氏は会談後、定数削減法案について「採決でき、法案が成立できるということなら、会期を延長してでも進めていくべきではないかと目線合わせをした」と述べた。だが、現状では法案成立に向けた与野党協議は進んでいない。
維新は「政治改革のセンターピン」(吉村洋文代表)として定数削減の実現を要求。自民へ連立離脱もちらつかせながら審議の加速を促してきた。ただ、法案成立が見通せない中、吉村氏も11日のラジオ番組では法案提出で「高市早苗首相は約束を守ってくれている」と態度を軟化。維新が重視する副首都構想実現に向けても連立離脱は得策ではないと判断しているとみられる。
定数削減法案は衆院議員定数を現行の465から1割を目標として420以下に削減すると明記。具体的な削減方法は衆院各会派で構成する選挙制度協議会で議論するが、法施行後1年以内に結論が得られなければ小選挙区25、比例代表20を自動的に削減する「自動削減条項」を盛り込んでいる。野党側は与党が一方的に削減内容を規定する自動削減条項にも反発を強めていた。【園部仁史、森口沙織】
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