市長の学歴詐称疑惑で混乱の伊東市 観光業者からキャンセルも

2025/07/08 21:21 

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 「東洋大卒業」と公表していた学歴が実際には除籍だった問題で、静岡県伊東市の田久保真紀市長は辞職表明から一夜明けた8日、市幹部や職員に対して謝罪した。市のホームページでも市民向けに謝罪文を掲載した。

 田久保市長は8日午後、市幹部の政策会議で「個人的な理由でご迷惑をかけました」と短く謝罪。夕方には市庁舎大会議室に集まった約100人の職員を前に謝った。

 政策会議後、報道陣の取材に応じた近持剛史企画部長は「市の分断や混乱を一刻も早く収めたい。観光業者からも『伊東に行きたくない』というキャンセルの声が上がっている」と話した。

 田久保市長は7日夜の記者会見で、市の広報誌に大学卒業と記載された点について、市長自身が承認したことを認めた。一方で「(大学で除籍と確認した)6月28日まで卒業していると考えていた」とこれまでの説明を繰り返した。

 市議会議長・副議長らに求められた際に提示し、静岡地検に提出するとしている「卒業証書」に関しては、「本物だと思っている。どのように手にしたのか記憶が曖昧」だと話した。

 同席した弁護士は公職選挙法違反容疑で市民から刑事告発されていることを踏まえ、「卒業証書」などは「(捜査機関に)調べられる可能性のある重要な証拠を安易に公開できない」としている。

 辞職勧告を決議した市議会の中島弘道議長は、辞職表明を受けて「懸命な判断をいただいた」と述べた。

 田久保市長は検察への上申書を遅くとも2週間以内に提出し、その後速やかに辞職をするという。公職選挙法により辞職から50日以内に市長選が行われる。【若井耕司】

毎日新聞

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