「日印で国際秩序の維持を」駐日インド大使 書面インタビュー

2026/08/15 12:00 

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 15日のインド独立記念日に合わせ、ナグマ・モハメド・マリック駐日インド大使が毎日新聞の書面インタビューに応じた。日印関係について「戦略的な一致と高いレベルの相互信頼に基づいている」と述べ、経済や防衛など幅広い分野で協力が深まっていることを歓迎。日印両国には「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を形作り、維持していく義務がある」とも指摘し、日本とともにインド太平洋地域の安定に尽力する考えを示した。

 日印両国は7月にインドで開かれた首脳会談で、経済安全保障や人工知能(AI)、エネルギーなど多くの分野で協力を進めることで合意した。マリック氏は、日本の最新鋭護衛艦に搭載している通信アンテナ(ユニコーン)の導入に向けても「大きな進展があった」とし、「防衛装備・技術の分野でさらなる協力を期待している」と述べた。

 日本式新幹線の導入を目指してインドが建設中の高速鉄道計画については「議論が進展している」と強調。来年にはインド製の車両で商業運行を始める計画だと明らかにした。

 モディ政権は2025年以降、インド洋などの国々と海洋協力を深める「マハーサーガル(偉大な海)」構想を提唱している。マリック氏は、日本の「自由で開かれたインド太平洋」構想とも整合する戦略だとして、両国が「共通の戦略的な展望に基づき、具体的な協力に取り組んでいる」と説明。日米豪との協力枠組み「クアッド」も引き続き重視する姿勢を示した。

 また、「世界が分断されたままでは平和や発展は維持できないと信じている。紛争や緊張が多い世界にあって、インドは一貫して対話と外交を支持する」とも強調した。

 インドは昨年、北部カシミール地方で起きたテロ事件に隣国パキスタンが関与していたとして、印パ間で水資源の配分を定めた「インダス川水利条約」の履行を停止している。これについてマリック氏は、インドが自国に不利な内容だったにもかかわらず、長年にわたり条約を尊重してきたと指摘。さらに、モディ首相が「水と血を同時に流すことはできない」と述べたことに触れ、「我々の立場は明確だ。パキスタンが決定的かつ信頼できる形で越境テロへの支援をやめるまで、条約は失効する」と強調した。

 インドは1947年、マハトマ・ガンジー率いる非暴力運動を通じて英国の植民地支配から独立。90年代の経済自由化を経て、新興国として台頭した。近年はグローバルサウス(新興・途上国)の主要国として、国際場裏でも発言力を高めている。【金子淳】

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