クーデター後では初 ミャンマー外相、ASEAN会合に対面出席

2026/07/12 12:10 

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 東南アジア諸国連合(ASEAN)は12日、タイの首都バンコクでミャンマー情勢を巡る非公式外相会合を開く。ミャンマー側からは、軍が主導する総選挙を経て発足した親軍政権の外相、ティンマウンスウェ氏が出席する。

 2021年の軍事クーデター後、ASEANはミャンマーの首脳や閣僚を主要会合から排除しており、同国外相が対面で外相級協議に加わるのは初めて。約5年に及ぶ行き詰まりの打開を目指し、親軍政権側との接触を広げる動きだ。

 会合はフィリピンのラザロ外相が議長を務め、加盟国の外相や高官らが出席する。ラザロ氏は11日、バンコク入りした際、ティンマウンスウェ氏から国内情勢について説明を受けるとした上で、「ミャンマーでどのような動きがあったのか、耳を傾ける必要がある」と述べた。

 ◇ASEAN「方針変わらず」

 ホスト国のタイ政府は今回の協議について、「ASEANの従来方針を変えるものではない」と説明している。公式成果文書も想定しておらず、あくまでASEANが求める暴力停止などを盛り込んだ「5項目の合意」を前に進めるための場だと強調する。

 ただ、タイ側は同時に、合意が具体的な進展を欠いているとの認識も示している。膠着(こうちゃく)状態を打開するには、親軍政権の外相ら意思決定に関わる相手と直接向き合う必要がある、というのがタイ政府の説明だ。接触を避け続けるだけでは限界があるとの判断がにじむ。

 ミャンマーと長い国境を接するタイは、難民流入や国境地帯の治安悪化など内戦の影響を直接受けており、ASEAN加盟国の中でも親軍政権との対話に最も積極的な立場を取ってきた。一方、シンガポールなどには、5項目の合意で相応の進展がない限り、主要会合への復帰を認めるべきではないとの慎重論も残る。

 ◇民主派などからは懸念も

 親軍政権は、昨年末から今年初めにかけて実施した総選挙と、その後の「民政移管」を根拠に、ASEANとの関係正常化につなげたい考えだ。軍に近い勢力が多数を占める議会では、5項目の合意を内政干渉だとして、ASEANに対ミャンマー方針の見直しを求める動きも出ている。

 5項目の合意は、クーデター後の21年4月、当時の軍政トップだったミンアウンフライン氏も同意した枠組みで、暴力の即時停止やすべての当事者による対話、人道支援などを盛り込む。だが実施は進まず、ミャンマー国内では国軍と民主派、少数民族武装勢力などの戦闘が続く。

 焦点の一つは、軟禁状態が続く民主派指導者アウンサンスーチー氏の処遇だ。ASEAN特使を務めるラザロ氏は面会を求めているが、親軍政権側はこれまで応じていない。

 民主派や人権団体からは、親軍政権側から具体的な譲歩を引き出せないまま、ASEAN復帰に向けた動きだけが先行しかねないとの批判も出ている。【バンコク小泉大士、国本愛】

毎日新聞

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