州最高裁、民主党有利の区割り変更は「違憲」 中間選挙で打撃

2026/05/09 12:19 

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 米南部バージニア州の最高裁は8日、4月の住民投票で承認された連邦下院選の区割り変更について、手続き違反を理由に無効とする判断を示した。11月の中間選挙に向け、民主党は新区割りにより同州で最大4議席増を見込んでいた。トランプ米大統領が全米で共和党に有利な区割り変更を主導する中、民主党は不利な司法判断が相次ぎ、目算に狂いが生じている。

 バージニア州では州憲法などによって、10年ごとに行われる国勢調査に基づいて超党派の独立委員会が区割りを策定することになっている。だが、住民投票で憲法改正が承認され、議会に区割り変更の権限が一時的に認められた。

 同州では知事職と議会多数派を民主党が握っている。このため、議会は民主党に有利な形で区割りを変更。新区割りでは、民主党が議席を現在の6から最大10に伸ばし、共和党の議席を5から1に激減させる可能性があった。だが、州最高裁は、議会が憲法の定める手続きに反して強引に住民投票を実施したと認定した。

 米国では中間選挙を控える中、連邦議会で共和党の多数派維持を狙うトランプ氏が南部テキサス州の共和党知事らに区割り変更を要求し、4州で最大9議席増を見込める見直しが実施されていた。これに対し、民主党も西部カリフォルニア州で民主党の5議席増を可能とする新区割りを導入。バージニア、西部ユタ州と合わせた最大計10議席増で対抗する構えだった。

 バージニア州最高裁の判断について、トランプ氏は自身のソーシャルメディアで「共和党と米国にとって大勝利だ」と歓迎した。一方、民主党下院トップのジェフリーズ院内総務は「衝撃的な決定だ」と批判し、「下院民主党は何が何でも11月に勝利する」と強調した。

 共和党は、人種的少数派に配慮した選挙区割りを憲法違反と認定した4月29日の連邦最高裁判断を追い風にして、さらに南部各州で議席の上積みを狙っている。フロリダ州では連邦最高裁判断が示された直後から共和党の4議席増を見込む新区割り案の議会採決が進み、その日のうちに可決した。テネシー州でも7日、民主党支持者が多い黒人有権者の居住区を分割し、同州で民主党が確保する唯一の議席の奪取を狙う新区割りが成立した。米政治メディア「ポリティコ」によると、サウスカロライナ、ルイジアナ、アラバマの3州でも同様の動きが加速している。

 米国では各州議会などで主導権を握る政党が自党に有利な区割りを行うことは「ゲリマンダー」と呼ばれて問題になってきたが、司法は党派的なゲリマンダーは容認している。連邦最高裁が人種均衡を理由にした区割りの再編を違憲としたことで、黒人有権者が多数を占める選挙区を持つジョージア州やミシシッピ州などでも今後、同様の動きが強まる可能性がある。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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