停戦巡りイランが近く回答か、米国務長官見通し 合意は不透明

2026/05/09 10:57 

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 米イランの停戦協議を巡り、ルビオ米国務長官は8日、「きょう何らかが分かるはずだ。返答を待っている」と話し、イランが近く、米側の要求に対して回答するとの見通しを示した。訪問先のイタリア・ローマで記者団に述べた。ただイラン外務省のバガイ報道官は「期限は気にしていない」と話しており、前進するのかは不透明だ。

 米メディアによると、米イランは戦闘終結に向けて14項目からなる「覚書」について交渉している。イランによるウラン濃縮の停止のほか、ホルムズ海峡の開放や米国の対イラン制裁の解除などが焦点となっている。ルビオ氏はイランの政権が「やや機能不全状態にある」とも述べ、意思決定の支障になっているとの懸念を示した。

 ロイター通信によると、バンス米副大統領は8日、ワシントンで仲介国の一つであるカタールのムハンマド首相と会談した。

 米軍はホルムズ海峡の「逆封鎖」でイランへの経済的な圧力をかけている。米中央軍は8日、イラン発着を阻止しているタンカーは70隻以上に上り、130億ドル(約2兆円)超相当の原油輸出を止めていると発表した。

 イラン外務省は8日に公表した声明で、7日夜から8日未明にかけてイランの石油タンカーや南部の沿岸地域などが米軍に攻撃されたと明らかにした。一連の軍事攻撃が「停戦合意への明白な違反」にあたると批判を強めている。

 中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、7日にホルムズ海峡周辺で米軍の攻撃を受けて行方不明になっていた乗組員5人のうち、1人が遺体で発見された。

 イランのタスニム通信は軍関係者の話として、一時的な交戦を経て米国との衝突は収束したと報じた。ただ、米国が再びイランの船舶に対する問題を起こせば「断固たる対応を受けることになる」と警告している。

 米紙ワシントン・ポストは7日、米中央情報局(CIA)の内部分析結果として、イランの経済が海上封鎖に少なくとも3、4カ月は耐える能力があると伝えた。イランはタンカーも使って原油の保管を進めているほか、開戦前にあった移動式発射台の約75%、ミサイル在庫の約70%を保持しているという。封鎖により早期にイランを屈服させるというトランプ政権のシナリオ通りに進むかは不透明だ。【ワシントン平野光芳、カイロ古川幸奈】

毎日新聞

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