対イランで迷走するトランプ氏 反米強硬派選出で高まる国内のリスク
イランの新しい最高指導者に、殺害されたハメネイ師の次男モジタバ師が9日、選出された。イラン側の狙いと米国の受け止めとは。今後の戦闘にどう影響するのか。
トランプ米大統領はイランの「反米路線」の転換を目指しており、次期最高指導者としてモジタバ師が選出されるのは好ましくないとの見方を示してきた。
また、原油価格の高騰など軍事作戦の継続による「痛み」も次第に大きくなっている。トランプ氏の最近の発言からは作戦の長期化を避けたい思惑もにじむが、強硬派と目されるモジタバ師の選出で、先行きの不透明感は増している。
◇外れたもくろみ
そもそも、トランプ氏にとって今回、反米強硬路線のハメネイ師を殺害できる好機と踏んだことが、軍事作戦開始の強い動機となったと報じられている。
米メディアによると、事前に米国とイスラエルの情報機関がハメネイ師の行動を把握。2月下旬にトランプ氏にこの情報が伝わった上、イランが核開発を巡る交渉で譲歩しないこともあり、攻撃を決断。同28日にイスラエル軍がハメネイ師の邸宅を攻撃し、殺害した。
作戦開始直後、トランプ氏はイラン国民に蜂起を促し、体制を転換する方針だった。だが、大規模な反政府デモは起きなかった。最近は体制を維持しつつ、内部の穏健な有力者と「親米政権」をつくる方向に傾いていた。マドゥロ大統領の拘束後、米国との国交を回復したベネズエラのケースが念頭にあったとみられる。
だが、米情報機関の事前の予想通り、イランは米国に強く抵抗している。米側が激しく攻撃する中、ハメネイ師の死亡後も手順に沿って後継者選出が進み、新たに若い反米強硬派の指導者が決まった。現状では、すぐに体制が崩壊する兆候はない。
また、作戦でイランのインフラ施設が被害を受けていることや、児童が多数死亡したとされる小学校への「誤爆」疑惑で、イラン国民の反米感情も高まっているとみられる。
トランプ氏はこれまで、自らが後継選出に関与する必要があるとしていた。米国の承認を得られない場合、「(後継者による統治は)長くは続かない」とも語っていた。今後も、米側が攻撃を強める可能性はある。
◇方針転換も、見えぬ着地点
だが11月に中間選挙を控えており、作戦が長期化すれば、リスクは高まる。
世論調査によると、米国民全体では作戦の「不支持」が高いが、トランプ氏の熱心な支持層である「MAGA(マガ=米国を再び偉大に)」派は依然、作戦を圧倒的に支持している。
ただ、米兵の死者が増加したり、物価が高騰したりする状況になれば、本来は対外的な軍事関与を嫌う支持者が離れる可能性も否定できない。既に一部からは不満の声が上がっている。
こうした中、トランプ氏は当初支持していたクルド人勢力の参戦についても、7日には「戦争を複雑化させたくない」として反対に転じた。作戦の長期化を避ける狙いが透ける。
イランはモジタバ師の選出で、米国に妥協する意思がないとの姿勢を示したとみられる。政権は軍事作戦の「成功」を強調し、強気の姿勢を崩していないが、迷走している感は否めない。トランプ氏は、中東を混乱に陥れた戦闘をどう終わらせるのか。着地点はまだ見えない。【ワシントン松井聡】
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