西半球重視の米政府は「歓迎」 パナマ運河判断 香港系との契約無効
「米国はパナマの最高裁判所の判断を歓迎する」。ルビオ米国務長官は30日、パナマ運河両端の港の運営を巡り、香港系企業との契約を無効とした29日のパナマの最高裁の判断について、X(ツイッター)でこう評価した。AFP通信によると、新規事業者が決まるまでの暫定措置として、デンマークの海運大手APモラー・マースク傘下の企業が港を管理する。
中国はインフラ投資などを通じて、中南米での影響力を拡大してきた。一方、トランプ米政権は南北アメリカを中心とする西半球を重視する姿勢を鮮明にし、中国など「対立国」の排除を目指している。
トランプ大統領はかねてパナマ運河に関して、通航料を支払うことに不満を示し、1999年まで米国が管理権を持っていた経緯から「取り戻す」と主張。軍事力の行使を排除しない姿勢まで見せた。ルビオ氏は、香港への締め付けを強化する中国が、状況次第では運河を閉鎖しかねないとの安全保障上の懸念を示す。
パナマ市の元市長で米州機構の大使も務めたギジェルモ・コチェス氏は19日の毎日新聞の取材に、「パナマは小国で経済も弱い。米国との対立は深刻な影響をもたらす。中国側から反発を受けるのは承知だが、トランプ氏の要求を一定程度受け入れざるを得ない」との見方を示した。
コチェス氏によると、パナマ国内では米国の駐パナマ大使が積極的に活動。国内の自治体をくまなく回り、中国の影響力を排除するよう働きかけているという。
コチェス氏は「ルビオ氏が昨年2月の初の外遊先にパナマを選んだように、米政権はパナマ政府に相当な圧力をかけている」と指摘。米国が89~90年に当時のパナマの独裁者、ノリエガ将軍の拘束を狙った「パナマ侵攻」にも触れ、「もちろん主権は大切だ。だが、主権では飯は食えないのだ」と複雑な心境も吐露した。【ワシントン松井聡】
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