ウクライナ軍、ロシアの「影の船団」2隻を攻撃 1隻炎上、航行不能

2025/11/30 10:30 

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 ウクライナ保安局(SBU)は29日、ウクライナ軍が28日、トルコ沿岸の黒海をロシアに向け航行中のタンカー2隻を国産の海上ドローン(無人機)で攻撃したと発表した。うち1隻は炎上し、航行不能となった。タンカーはいずれも、露産原油を不法に運搬する「影の船団」の一部と欧米が認定しており、制裁対象となっていた。

 SBUは29日、タンカーを攻撃する映像を公開し、「2隻のタンカーに重大な被害を与えた」との声明を発表した。AP通信などの報道によると、2隻はガンビア船籍の「カイロス」と「ビラット」で、ロシアの原油輸出拠点となっている露南部ノボロシースク港に向かい、黒海のトルコの排他的経済水域(EEZ)内を航行していた。

 ウクライナ軍は爆薬を積んだ高速ボート型の海上ドローンを使用して攻撃。トルコ政府によると、カイロスは炎上し、乗員は救命ボートで避難した。

 ビラットは攻撃を受けたが、被害は軽微で乗員は全員無事という。2隻とも原油を積み込む前だった。

 ビラットは米国が1月、「影の船団」として制裁対象とし、欧州連合(EU)、スイス、英国などが続いた。カイロスは7月以降、EU、英国、スイスが同様に制裁対象としている。2隻ともこれまでに船籍旗を頻繁に変えるなど、身元の特定を回避するような行為が確認されている。

 一方、ロシア経由でカザフスタン産原油を輸出する「カスピ海パイプラインコンソーシアム」(CPC)は29日、一部操業の中止を発表した。ノボロシースクの原油輸出施設がウクライナのドローンによる攻撃を受けたという。カザフスタン政府は29日、「民間インフラ施設への攻撃は受け入れられない」とウクライナ側を非難した。

 欧米による対露制裁の効果が上がらない中、ウクライナ軍は、露政府の主要な収入源となっている原油輸出関連施設への攻撃を強めている。ウクライナは、欧米の支援国に影の船団への強硬措置を求めていたが実現せず、自力での攻撃に踏み切った模様だ。【ブリュッセル宮川裕章】

毎日新聞

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