グテレス氏、26年までに「AI兵器規制を」 米国は反対 国連安保理

2025/09/25 13:55 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 国連安全保障理事会は24日、人工知能(AI)の平和利用とリスクに関する会合を開いた。グテレス事務総長は「人類は殺人ロボットやAIを利用した兵器が戦争の主導権を握ることを許してはならない」と指摘。人間が関与せずAIの判断で人を殺傷する「自律型致死兵器システム」(LAWS)を禁止する重要性を改めて強調し、2026年までに法的拘束力を持つ規制の枠組みを設けるよう訴えた。

 一方で、米国の代表は「国際機関によるAIのグローバルガバナンスに関する中央集権的なあらゆる取り組みを完全に拒否する」と表明。過剰な規制がイノベーションを阻害するとも主張した。トランプ米政権の国際協調に否定的な姿勢が浮き彫りになった。

 グテレス氏はAIは地雷除去の支援などで大きな役割を果たせるとする一方で、「人類の運命をアルゴリズムに委ねることはできない」とも述べ、生死を巡る決定には人間が関与しなければならないと指摘した。会合を主催した議長国、韓国の李在明(イジェミョン)大統領も「責任あるAIの活用」の重要性を訴えた。中国なども国連主導の規制への取り組みを支持する姿勢を示した。【ニューヨーク松井聡】

毎日新聞

国際

国際一覧>

注目の情報