カタールがイスラエルに謝罪要求 停戦交渉再開に向けた条件 米報道

2025/09/21 17:25 

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 米ニュースサイト「アクシオス」は20日、イスラエルから攻撃を受けたカタールが、パレスチナ自治区ガザ地区の停戦交渉の仲介を再開する前に、イスラエルに謝罪を求めていると報じた。イスラエルは、イスラム組織ハマス幹部を狙いカタールを空爆したが、カタールの大きな反発を招き、停戦交渉は事実上停止している。

 イスラエル高官によると、イスラエルはカタールを攻撃することで引き起こされる危機を過小評価し、ネタニヤフ首相も判断を誤ったとみているという。ただ、パレスチナに強硬的な極右政党を抱えるネタニヤフ連立政権にとって、謝罪は政治的なリスクが大きく、カタールは謝罪の表現については柔軟に対応する意思があるという。

 カタールのタミム首長とルビオ米国務長官が16日、ドーハで会談した際、タミム氏がイスラエルの謝罪に言及したという。

 カタールでの空爆ではハマスのメンバー5人と、地元警察官1人が死亡した。カタールは、死亡した警察官の遺族への補償とカタールの主権を今後は侵害しない約束を含んでいれば、謝罪を受け入れる可能性があるという。イスラエルは2010年にガザ地区への支援物資を積んだ船を襲撃し、トルコ人が死傷したことを巡り、13年にトルコに謝罪をした事例がある。

 一方、イスラエル軍はガザ地区最大都市ガザ市で制圧作戦を進めている。軍は20日、約100カ所の地下インフラなどを空爆したと発表した。軍の推定によると、約100万人いた住民の半数が、市外へ避難したという。中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、20日には軍の攻撃で71人が死亡し、このうち56人はガザ市で死亡した。【エルサレム松岡大地】

毎日新聞

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