イラン「違法で挑発的」と非難 安保理で制裁停止の決議案否決受け

2025/09/20 09:55 

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 国連安全保障理事会で核開発を巡る対イラン制裁停止の継続に関する決議案が否決されたことを受け、イラン外務省は19日の声明で、「違法かつ正当化できない挑発的な行動であり、外交プロセスを深刻に害する」と強く反発した。制裁復活に向けた措置を取った英仏独の3カ国に対しては「独立性を見せず、(反イラン政策を進める)米国の違法な方針に従っている」と非難した。

 英仏独は8月下旬、イランが2015年に締結した核合意に違反しているとして、国連制裁の復活措置を安保理に通知。30日以内に「制裁停止の継続」を認める決議案が採択されなければ、9月下旬にイランへの武器禁輸などの制裁が復活することになっている。

 イランは声明で、イランが外交解決の道を追求しているにもかかわらず、米国や英仏独が「事実をゆがめて根拠のない主張をしている」と批判。核開発は「科学技術の発展のため」だと改めて主張し、「イランは違法な行動に適切に対応する権利を持つ」と強調した。

 核合意は米英仏独中露とイランの間で結ばれた。イランは核開発を制限する見返りとして米欧や国連の制裁を解除されたが、18年に米国が離脱して独自の制裁を復活させたため、対抗措置として合意の上限を上回る高濃縮ウランの製造などを続けてきた。

 今年6月のイスラエルと米国によるイラン核施設への空爆を受け、国際原子力機関(IAEA)による査察も停止している。今月上旬にIAEAと査察再開に向けた「技術的な手順」に合意したが、制裁が復活すれば、IAEAとの対話にも影響が出るとみられる。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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