「共に民主党」前代表の公判期日、大統領選後に延期 韓国高裁

2025/05/07 17:10 

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 韓国のソウル高裁は7日、進歩系の野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前代表(61)の公職選挙法違反事件の第1回公判期日を5月15日から6月18日に延期したと明らかにした。大統領選(6月3日投開票)の前に有罪が確定する可能性は消え、李氏にとっては選挙に向けた最大の障害が取り除かれた形だ。

 大法院(最高裁)が1日の上告審判決で、無罪とした2審判決を取り消し、審理を有罪の趣旨でソウル高裁に差し戻していた。

 李氏は現時点で大統領選の最有力候補。だが100万ウォン(約10万円)の罰金刑以上の罪が確定すれば被選挙権を失い、大統領選には出馬できない。

 5月15日の期日でも大統領選前に有罪が確定する可能性は低かったが、共に民主党は「司法の選挙への介入だ」などとして大統領選後に変更するよう要求。多数を握る国会で曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長らを弾劾訴追することも辞さないと圧力を加えていた。

 ソウル高裁の報道官は7日、「大統領候補である(李)被告の均等な選挙運動の機会を保障し、裁判の公正性をめぐる論争をなくすため、期日を大統領選挙後に変更した」と表明した。「(裁判は)内外からの影響や干渉を受けず、憲法と法律に基づき公正に行う姿勢を堅持してきており、今後も同じだ」とも述べた。

 共に民主党は李氏の当選を見据え、被告が大統領になった場合、進行中の刑事裁判の手続きを停止できるようにする刑事訴訟法の改正を計画している。

 この裁判では昨年11月、1審のソウル中央地裁が懲役1年、執行猶予2年の有罪判決を宣告したが、ソウル高裁は3月、一転して無罪を言い渡した。ところが大法院は今月1日、有罪が相当と判断し、審理をソウル高裁に差し戻していた。【ソウル福岡静哉】

毎日新聞

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