国際政治学者のジョセフ・ナイ氏死去 「ソフトパワー」提唱 知日派
クリントン米政権(民主党)で国防次官補などを務めたジョセフ・ナイ米ハーバード大特別功労名誉教授が6日、死去した。88歳だった。日米同盟重視の知日派の重鎮として知られる。文化や価値観などの魅力で国際的地位を高める「ソフトパワー」を提唱するなど国際政治に大きな影響を与えた。
1937年、米東部ニュージャージー州生まれ。プリンストン大を卒業後、ハーバード大で政治学博士号を取得。69年にハーバード大教授となり、カーター政権下の77~79年に国務次官代理や国家安全保障会議の核不拡散グループ委員長を務めた。
冷戦終結後の新たな国際秩序が模索されていた90年にソフトパワーの概念を論文で発表。軍事や経済など強制力を伴う「ハードパワー」だけでなく、他国が自ら納得して追随する状況を作り出す能力に注目する必要があると主張した。
クリントン政権では国家情報評議会議長(93~94年)や国防次官補(国際安全保障担当、94~95年)を歴任。95年2月には「ナイ・イニシアチブ」と呼ばれた国防総省の「東アジア戦略報告」をまとめた。東アジア地域に10万人の米軍を維持し、日米安全保障体制をアジア・太平洋地域全体の安定のかなめと位置付けるもので、日本側と日米安保再定義作業を進めた。
95年12月~2004年7月にケネディスクール(行政大学院)の学長を務めた。00年以降、アーミテージ元国務副長官(共和党)と中心となって「アーミテージ・ナイ報告書」と呼ばれる対日政策提言書をとりまとめた。00年版では在日米軍の沖縄の負担軽減の必要性を指摘したり、日本に集団的自衛権の行使を認めるよう求めたりしたことで知られる。
20年には米シンクタンクが集めた超党派の有識者とともに第5次となるアーミテージ・ナイ報告書を発表。日米同盟の最大の難題は中国と明示し「(中国と)競争しながらも共存するための新しい枠組みを構築するのが課題だ」と指摘していた。
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