独メルツ新首相、造反者は「調査しない」 2回目投票でも基盤の弱さ

2025/05/07 15:12 

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 ドイツ連邦議会(下院)は6日、首相指名選挙の2回目の投票で、中道右派・キリスト教民主同盟(CDU)のフリードリヒ・メルツ党首(69)を選出した。1回目の投票では連立与党内で造反があり、過半数の支持を得られなかったが、2回目で面目を保った。ただ、政策の方向性が異なる政党が組む「保革大連立」の基盤の弱さが浮き彫りになり、不安な船出となった。

 1回目の投票では、連立与党内から少なくとも18人の「造反者」が出た。メルツ氏は6日夜、公共放送ZDFで「(造反したのが)誰だったのかはわからないが、調査しない」と話した。1度目の投票結果は「確かに小さな汚点となった」と認めつつ、「2回目は十分だった」と述べた。

 CDUは4月、統一会派を組む姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)、中道左派の社会民主党との「大連立」政権樹立で合意。3党の議席は計328で、選出に必要な議会定数(630)の過半数(316票)を上回っていた。

 しかし、1回目は310票にとどまり、第二次大戦後初めて首相指名選挙が不調に終わった。2回目は325票に上積みした。投票は無記名で行われたため、造反者は特定されていない。

 メルツ氏は議会での選出後、シュタインマイヤー大統領から正式に指名を受け、議会で宣誓して新首相に就任した。17人の閣僚も任命され、メルツ内閣が発足した。【ベルリン五十嵐朋子】

毎日新聞

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