カナダで４月２８日に投開票された総選挙（下院、定数３４３）で、第１党を維持したカーニー首相率いる自由党の獲得議席は１６９となる見通しで、単独での過半数（１７２議席）には届かなかった。法案や予算案の成立には他党との協力が必要となる。

　カナダ首相府によると、カーニー氏は２９日にトランプ米大統領と電話協議し、近く会談することで合意した。トランプ氏は選挙結果についてカーニー氏に祝意を伝えたという。

　連邦選挙管理局によると、他の主要な政党の獲得議席は、保守党１４４▽ケベック連合２２▽新民主党７――となる見通し。トランプ政権の脅威に対峙（たいじ）するかじ取り役の信任投票の様相が強まり、２大政党の得票率は合計で８割を超えた。

　保守党は解散前から２０議席以上、上乗せしたものの、ポワリエーブル党首が自由党の新人に敗れる波乱があった。カナダの「ミニ・トランプ」とも呼ばれ、一時は次期首相に最も近い政治家とみられていた。２００４年に首都オタワの選挙区で２５歳で初当選して以来、議席を維持していた。選挙後の演説でポワリエーブル氏は党首の続投に意欲を示した。【ニューヨーク八田浩輔】