住宅6万戸以上が被害 生活再建の糸口見えず ミャンマー地震1カ月

2025/04/27 16:55 

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 ミャンマー中部を震源とする大地震の発生から28日で1カ月を迎える。被災地ではがれきの撤去などが続いているが、首都ネピドーや第2の都市マンダレーの被害が大きかったため政府機能や経済活動が停滞している。公的な支援をほとんど受けられていない被災者も多いとみられ、復興の道筋は見通せないままだ。

 国営メディアによると、地震により6万3000戸以上の住宅が倒壊や損壊の被害を受け、ネピドーでは多数の官庁ビルなども被災した。軍事政権トップのミンアウンフライン国軍最高司令官は18日、被害を受けた建物に対して財政支援を行う考えを明らかにし、建物の再建は耐震性を重視するよう指示した。ただし、財源の確保は難しいとみられる。一方で、複数の地元独立系メディアは外務省や中央銀行などが一時的に最大都市ヤンゴンに移転すると報じている。

 国連人道問題調整事務所は、地震の影響を受けた人は1720万人と推計。震災後、水道設備の損壊や広範囲の停電により、清潔な水やトイレなどの衛生設備を必要としている人は430万人以上に増えたと指摘した。

 軍事政権が発表する被害状況は、25日時点で死者3763人、負傷者5107人、行方不明者110人に上る。

 国軍は22日、人道支援を優先するためとして民主派や少数民族武装勢力との一時停戦の期限を30日まで延長した。しかし、当初の期間中も空爆を継続して停戦は形骸化しており、復旧の足かせとなっている。独立系メディア「ミャンマー・ナウ」は23日にも北部ザガイン管区の村で空爆があり、5人が死亡したと報じた。【バンコク武内彩】

毎日新聞

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