カナダ総選挙、28日投開票 与党が優勢 焦点はトランプ米政権対応

2025/04/27 16:14 

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 カナダ総選挙が28日投開票される。最大の焦点はトランプ米政権への対応だ。主要な世論調査では、米国への強硬姿勢を明確に打ち出すカーニー首相率いる与党の中道左派・自由党が、高まる反トランプ世論を追い風に優勢を保つ。

 カナダ放送協会(CBC)がまとめた26日現在の各種世論調査の平均値によると、自由党の支持率は42・5%、最大野党の中道右派・保守党が38・7%で追う。自由党は議席配分の6割近くを占める東部オンタリオ、ケベック両州でリードを広げている。

 自由党党首のカーニー氏は26日夜、自動車など製造業が集積するオンタリオ州ウィンザーで集会を開いた。対岸の米中西部ミシガン州デトロイトを指さし、「トランプ大統領は貿易戦争をしかけ、文字通り世界経済を崩壊させた」と非難。「適切な計画があれば、経済の運命をコントロールできる」と述べ、中央銀行トップとして経済危機を乗り切った実績をアピールした。

 9年超に及んだ自由党のトルドー前政権の不人気を背景に、保守党は1月初旬まで支持率で自由党を20ポイント超上回っていた。しかし、トランプ氏の度重なる関税の「脅し」や、「米国の51番目の州」になるべきだとの発言を受けて情勢は一変。「カナダ第一」を掲げる保守党のポワリエーブル党首はトランプ氏を想起させる主張が足を引っ張っている形だ。

 連邦選挙管理局によると、過去最高となる730万人が期日前投票を終えた。登録有権者のおよそ4人に1人にあたり、関心の高さをうかがわせている。【ウィンザー八田浩輔】

毎日新聞

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