「橋が落ち、食料も薬もない」 ミャンマー地震、発生72時間迫る

2025/03/31 10:45 

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 ミャンマー中部を震源とする大地震の被災地では31日、生存の可能性が大きく下がる地震発生後72時間を前に、救助隊員らが救出活動を急いでいる。ただ、震源に近い第2の都市マンダレーや北部ザガイン管区では、人員や機材不足で救助は難航。橋や道路が損壊して食料などの物資も十分に届いていない模様だ。

 「けが人が小さな病院に詰めかけている。がれきに閉じ込められた人も遺体も放置されたままだ」「ザガインとマンダレーを結ぶ橋が落ちて食料も医薬品も届かない」。ザガイン管区の住民らは不安定なインターネット環境の中、SNS(ネット交流サービス)で窮状を訴える。首都ネピドーからも300キロ近く離れ、救助は遅々として進んでいないとみられる。

 一方、軍事政権の支援要請に応じた海外の救助隊が現地入りし、本格的に活動を始めた。ネピドーでは30日、シンガポールの救助隊が半壊した3階建ての住宅から8時間かけて男性を救出。がれきの隙間(すきま)からチューブを差し込んで男性に水を飲ませながら作業にあたった。中国国営新華社通信によると、中国の救援医療チームも倒壊した病院から約40時間ぶりに高齢者を救出したという。

 隣国タイの首都バンコクで建設中の高層ビルが倒壊した現場では、軍やレスキュー隊による作業員らの捜索活動が続いている。これまでに11人の死亡が確認され、いまだ70人以上の行方が分かっていない。

 作業員の弟(41)が安否不明というトゥリアン・プンロッドさん(47)は「危険がともなう仕事だからと注意していたのに巻き込まれてしまった」と言葉少なに話した。31日朝には雨のため作業の一部が中断したが、午後からは大型重機を使ってがれきを取り除く作業が本格化するという。【バンコク武内彩】

毎日新聞

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