九州新幹線未整備区間 佐賀県知事と国交省が環境アセスで合意
九州新幹線長崎ルートの未整備区間である新鳥栖(佐賀県鳥栖市)―武雄温泉(同県武雄市)間を巡り、佐賀県の山口祥義知事と国土交通省の水嶋智事務次官は17日、2027年度に環境影響評価(環境アセスメント)を実施することで合意したと発表した。武雄温泉―長崎(長崎市)間の西九州新幹線は22年に開業したが、財政負担や並行在来線などの問題で佐賀県が整備に難色を示していた。
山口知事と水嶋次官が同日、佐賀県庁で合意を交わし、記者会見した。
国は未整備区間について「佐賀駅を通るルート」、県北部の長崎道沿いを通る「北回りルート」、佐賀市の佐賀空港を通る「南回りルート」を提示していた。アセスメントの実施に際しては、特定のルートを前提とせず技術的な課題を確認する。アセスメント実施のための事前調査は26年度末までに完了させる。
未整備区間を事業化する場合、佐賀県の財政負担と並行在来線のあり方についても両者は合意した。
佐賀県の財政負担については、国交省が一定の上限を設けるなど特別に配慮する。合意事項では、受益の程度を踏まえて長崎県も費用を負担するのが適当であり、両県で協議して決めることを明記した。
並行在来線は、佐賀駅ルートとなった場合でも現行の経営形態を維持し、長崎線と佐世保線の特急と普通列車の本数を開業前の水準で維持するよう、JR九州に要請することを確認。特急は新幹線の本数と合わせて同水準になるよう求める。
合意ではこのほか、佐賀空港の滑走路の延長や平行誘導路の整備を求める地元の意見に配慮し、27年度以降に九州北部地域の空港のあり方に関する調査を実施することも盛り込んだ。
会見で水嶋次官は「新幹線の整備や佐賀の地域振興、九州北部の活性化に向けた新しい一歩を踏み出すことができた」、山口知事は「多くの人が関心をもっている課題。皆が関係しているので、議論しやすい環境になった」と述べた。
今回の合意について、長崎県の平田研知事は記者団に「重要な一歩を踏み出せた。(長崎の負担分については)多くの論点が全てクリアされた時に否定されるものではない」と語った。JR九州は「大きな前進と受け止めている。国交省からの要請はしっかりと受け止めたい」とコメントした。【西貴晴、成松秋穂、百田梨花、宇都宮裕一】
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