米地裁、FRB議長への「国策捜査」に待った 政権の「圧力」に言及

2026/03/14 17:14 

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 米ワシントン(コロンビア特別区)の連邦地裁は13日、司法省が連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長への刑事捜査で送付した召喚状について、無効として却下したと明らかにした。「パウエル氏を犯罪の容疑者とする証拠を実質的に一切提示していない」などと結論づけた。

 司法省は今回の判断を不服として上訴する方針。その場合、トランプ氏が次期議長に指名したウォーシュ元FRB理事の就任が遅れる可能性が強まりそうだ。就任は上院での過半数の承認が前提だが、与党・共和党の一部議員がパウエル氏への捜査終結を承認の条件に掲げており、見通しが立たないため。パウエル氏の任期は5月15日までだが、続投も現実味を帯びる。

 司法省は1月、FRB本部ビルの改修工事を巡り、パウエル氏が過去に虚偽の議会証言をした疑いがあるとして大陪審の召喚状を送付。パウエル氏は政府の対応を批判する異例のビデオ声明を公開した。現職のFRB議長を対象とした捜査は前例がない。召喚状は、政治からの独立性が重んじられる中央銀行に対するトランプ政権の異例の圧力として注目されていた。

 連邦地裁は今回の判断を示すにあたり、パウエル氏に対する虚偽証言の疑惑は「単なる口実に過ぎない」と断じ、召喚状送付は「議長に利下げへの賛成または辞任を迫るためだったことを示唆している」とした。

 FRBは足元の米経済や物価、雇用動向を踏まえ、政策金利を上げ下げする。目先の景気浮揚を重視するトランプ大統領は大胆な利下げを実施すべきだと主張しているが、FRBは慎重姿勢を崩さない。不満を募らせたトランプ氏はパウエル氏への罵倒を繰り返し、対立を深めてきた。【ワシントン浅川大樹】

毎日新聞

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