石油・ガス発見→生産まで半世紀で3倍に長期化 生態系保全など影響

2026/03/05 17:03 

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 石油・ガスの発見から生産開始までに要する期間が半世紀前に比べて3倍に長期化し、近年は10年以上かかっているとの報告書を、米調査団体「グローバルエネルギーモニター(GEM)」が発表した。事業の採算性確保の見通しが立てにくくなっており、中東情勢が緊迫する中、エネルギー安全保障の点からも「脱石油・ガス」を促している。

 2日に公表された報告書によると、世界で1960~80年に生産が始まった油田では、発見から平均4・9年で操業していた。しかし、その後は生産開始までの期間が徐々に長くなり、2010~20年は約16年、21年以降は約15年となっていた。

 報告書は、60~80年ごろはアクセスが容易で大規模な生産量を誇る油田が開発されたと分析。この頃に世界有数の油田の大半が開発され、その後は海域など探査・掘削の難しい場所が残されたと指摘した。また、生態系保全などの規制への対応も求められるようになったことも長期化に影響しているという。

 担当者は気候変動の深刻化を念頭に「投資は、石油・ガスの需要削減や再生可能エネルギーに振り向けられるべきだ。それこそが真のエネルギー安全保障につながる」と訴えている。

 GEMは、地球温暖化問題を先駆けて警告した気候学者、ジェームズ・ハンセン博士の呼びかけに賛同した環境団体メンバーらによって設立された。【田中泰義】

毎日新聞

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