日銀副総裁「経済改善なら政策金利引き上げ」 市場動向注視の考え

2025/10/17 20:18 

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 日銀の内田真一副総裁は17日、「経済・物価情勢の改善に応じ、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と述べ、日銀の想定通りに経済が推移するなら、追加利上げに踏み切る考えを改めて示した。東京都内で開かれた全国信用組合大会でのあいさつで述べた。

 内田氏は利上げの判断材料となる経済見通しについて「内外の経済・物価情勢や金融市場の動向を丁寧に確認し、予断を持たずに判断していく」と述べ、今後の経済指標を精査していく考えを示した。

 日銀の植田和男総裁も16日、米ワシントンで開かれた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の後、記者会見で「10月末にかけて出てくるデータを加味し、その時点での情報をまとめて議論して決定する」と説明し、10月末の金融政策決定会合に向け経済指標を丁寧に分析する考えを示した。

 日銀は1月に政策金利を0・5%程度に上げて以降、5会合連続で据え置いている。しかし、物価上昇(インフレ)が続いていることもあり、前回9月会合で2人の審議委員が利上げを主張するなど利上げ機運が強まった。

 ただ、今月上旬の自民党総裁選で利上げ慎重派の高市早苗氏が大方の予想に反して勝利した。公明党が自民党との連立政権から離脱するなど政治が混乱していることもあり、10月会合での利上げ観測は一転して後退している。

 東短リサーチの加藤出氏は内田氏、植田氏の発言について「従来の発言と変わらない。高市氏を含め政治の動きを様子見しているのでは」と指摘している。【古屋敷尚子】

毎日新聞

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